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旅の達人に聞け!! 2 サボリがボクの旅の原点 寒川ハジメさん[アウトドアグッズ・ショップ“3knot”代表]
三浦半島の海のすぐそば、寒川さんの経営するアウトドアグッズのショップの名は「3knot」という。彼のブログにこの店名の意味が書いてある。いわく、「歩く以上走る未満の速度、例えるならゆっくりとポタリングする自転車やカヤックのスピード。その速度域でしか感じることのできないことがあります……」。寒川さんの提唱する旅のスピード感は、まさに3ノット。それは、癒しの速度でもあり、希望の速度でもある。それは、かつて仕事をサボって海を見に行った若き日に見つけた速度でもある。

プロフィール
1963年に香川県に生まれる。中学、高校と自転車旅行に夢中になり、北海道・東北以外の地はほぼ走破。大学卒業後、東京の玩具会社に勤める。その後、独立して輸入雑貨のショップを経営。現在は、横須賀市で輸入アウトドアグッズのショップ“3knot”(さんのっと)を経営するかたわら、自らを“サボリ・ガイド”として、ユニークなコンセプトの旅やイベントを企画。

●“3knot”のサイト
http://www.3knot.com/

●ブログ「気分は3knot」
http://blog.livedoor.jp/sanknot/

WHAT IS THE JOURNEY?

非日常から元気をもらって日常に戻る。それがサボリ・ジャーニーの基本。

通勤の途中、突然、海へ行きたくなって……

入社2年目のある朝のことだった。玩具会社のサラリーマンだった寒川さんは、最寄り駅である都営地下鉄線浅草駅のホームにいつものように降りたった。同じホームの反対側には、これまたいつものように京急本線直通の三崎口行きが停まっていた。常から、「三崎口」という行き先名は魅惑的だった。「三崎」は「岬」に想像力の中で変換されて、鬱々とした日々を過ごしていた寒川さんを誘惑した。

「気がついたら乗ってたんです、三崎口行に(笑)。乗った瞬間は覚えていないんですよね。終点の三崎口で降りたら、まわりは一面の畑。駅員さんに『海はどっちですか?』と聞いたら、不審そうな顔をして『あっち』と。30分くらい歩いたら、海に出ました。仕事をサボって、スーツ姿で、その日は日がな一日、ボーッと海を見てたんです」

携帯電話など無い時代だったから、帰宅すると留守番電話には大量のメッセージが入っていた。恐ろしくて再生する気になれなかった。

翌日、鏡を見ると顔が日に焼けていた。これじゃ「体調が悪かった」などという言い訳は通じない。正直に言うしかない。

出社すると上司に呼び出される。日焼けした顔を見て上司いわく。
「いい色してるな。きのうはどうした?」
「海に行きました……」

怒鳴られるかと身がまえた。上司は一瞬言葉を失ったが、やがてこう言った。
「海……よかったか?」
「海……よかったです」
「そうか……」

その瞬間、寒川さんは巨大な何かの軛から解放されたような気持ちになったという。それまでの暗く、うつむいていた自分がもう一度顔を上げて生きることができると思った。
「人生、ちょっとくらいサボったっていいんだと思ったんです。大切なのは日常に元気に戻っていくことだと」

寒川さんが会社を辞めて輸入雑貨店を始めたのは、それから数年後のことだった。

なるべく短い時間で遠くへ行く旅

この20年以上も前の“サボリ事件”が、自分の旅の原点であり、4年前に開いたアウトドアグッズ・ショップ“3knot”のコンセプトでもあると寒川さんは言う。
「サボリっていうのはトリップそのものなんです。旅とは場所移動だけじゃない。何かから解放され、幼いころの自分に帰る。そんなタイムトラベル的要素も大事なんです。だから、僕の目標は『なるべく短い時間でより遠くへ行く旅の手伝いをすること』なんです」

その一つが「焚火カフェ」だ。なんのことはない、三浦半島の近隣の海辺でたき火をするのだ。ネットで申し込みがあると、寒川さんは専用のたき火道具やキャンプ用調理器具などを背負って出かけ、参加者(2〜4人ほど)の前で火を起こす。参加者は、波の音に包まれて、パチパチ音をたてるたき火を見つめながら、焼マシュマロとコーヒーを手に、さまざまなことを語り合う。
「参加者には昔の僕のように日常で何か重いものを背負ってるような方が少なくありません。でも、火には浄化作用があるんでしょうか。薪だけじゃなく、参加者のいろんな気持ちも燃やしてくれるんです。みなさん軽い表情になって、気持ちをチェンジして帰って行きます。使用前(旅行前)、使用後(旅行後)で違わないと旅じゃないと思うんです。その意味では、このたき火も、僕にとっては旅──トリップの一つなんです」

寒川さんが最近、とっても興奮した旅の一つが、近くの海に注ぐ小川の源流を探す旅だったという。

自宅の裏山の、なんの変哲もない小さな小川をたどって、えんえんと沢登りを続けていった。すると、やがて視界は人跡未踏の森へと姿を変えていったという。
「落差十数メートルの滝があったり、ここは屋久島かと思うようなビックリする眺めが続くんです。1度では源流にたどり着けず、結局、4度ものアタックでようやく水が湧き出す小川の源を見つけ出したんです。遠くに行かなくても、自分の裏庭にすべてある。もしかしたら、地球の裏側から誰かがそれ見たさに訪ねてくるようなスゴいものだって、そこにあるかもしれない。そんなふうに思いました」

旅とはプチ家出みたいなもの

中学、高校と、寒川さんは自転車少年だった。ツーリング用の自転車に荷物を積んでは旅を繰り返した。香川県に暮らしていた寒川さんは、四国から海を渡り、北海道と東北をのぞくほとんどの県を自転車で走破したという。
「テントに泊まったり、野宿したり。今でも覚えているのは、奈良駅に三連泊したとき。駅員さんと仲よくなって、駅舎から銭湯に通ってました(笑)」

旅とはプチ家出みたいなものと寒川さんは言うが、それは今も変わらない。

ある日などは、急に思い立って、シーカヤックに最低限の荷物だけをほうり込んで、海にこぎ出した。家族は「またか」と心配もしない。

目的地は、シーカヤックで30分たらずで到着する、長者ヶ崎の沖の小さな無人島である。上陸してテントを張り、流木を集めて火を起こし、適当な料理をつくり、そしてバーボンを飲む。とっぷりと日が暮れ、そこは文字通りの自分ひとりの世界となる。
「ハンモックを張って、横になるんです。満月で、星も見えて、見たこともないきれいな光景が目の前に広がるんです。あの夜は大潮で、夜中にあたりを歩いてみたら、想像以上に水が引いていて、どこまでも海の中を歩いて行けるようでした」

これも寒川さんにとってはサボリの範疇に入る。

つまり、元気が無くなったとき、日常が重苦しくなったとき、非日常に旅をする。そうすると、元気に日常に戻ることができる。サボリとは、その非日常への旅だという。

寒川さんが言う。
「実は最近気づいたんですが、サラリーマンだったときにサボって1日中ボーツと見ていた海って、この僕のショップからすぐそばのところにあるんですよ。偶然って、面白いですね」

さ、我らもそろそろサボってみようか。

“3knot”のサイトに掲載されている漫画『サボリのすすめ 山本係長の場合』

“3knot”のサイトに掲載されている漫画『サボリのすすめ 山本係長の場合』は、寒川さんの実体験をベースにしたもの。読みたい方は、こちらをクリック。http://www.3knot.com/sabori/index.html

3knotの店内で話をする寒川さん。店内はさまざまな輸入アウトドアグッズでいっぱいだ。

3knotの店内で話をする寒川さん。店内はさまざまな輸入アウトドアグッズでいっぱいだ。

焚火カフェの火を起こしている寒川さん。このたき火の火を使って料理などもする。

焚火カフェの火を起こしている寒川さん。このたき火の火を使って料理などもする。

3knotの店内には自転車も。寒川さんの自転車好きは今も変わらない。

3knotの店内には自転車も。寒川さんの自転車好きは今も変わらない。

シーカヤックで三浦半島の海へとこぎ出す。

シーカヤックで三浦半島の海へとこぎ出す。

HOW TO JOURNEY?

トラベルハンモックとポケッタブルカイトは必携なのだ

ハンモックに寝ると世界が変わる

寒川さんは「ハンモックはサボリの象徴」と言う。
「ハンモックの上に乗っかっている時間が長ければ長いほど、人生勝ちじゃないかなと思うほどです(笑)。僕自身はいつも超コンパクトにたためるトラベラーハンモックというのを旅に持って行きます」

山や海に出かけたら、眺めのいい心地のいい場所を見つけて、ハンモックを張ることを寒川さんはまず提案する。すると世界が変わって見える。
「ハンモックっていうのは、世界中のどこでもリビングルームやベッドに変えてくれるツールなんです。それって、僕が小学校のときに自転車を買ってもらったときに、これで世界中どこにでも行けるって思った感覚と似てるんですよね。自分を解放する道具でもあるんです」

ちなみに、“3knot”では、ハンモックハンティングという、ハンモック入門者のためのイベントも開いているそうだ。

旅の最終目的地でタコをあげる

旅先の見知らぬ土地でタコをあげる。これは寒川さん独特の“旅の盛り上げ方”だ。
ポケッタブルカイトという折りたたみ式の小さなタコがあるんです。旅に行くときは必ず持って行って、目的地であげるんですよ。北アルプスでもあげたし、メキシコでも、あらゆるところであげました。タコをあげると、なんか興奮して、その土地の中にもう一歩踏み込んだ気分になるんですよね。だから、僕は、旅に出かけるときは、下着を減らしてでもポケッタブルカイトは必ず持って行くんです」

おそらく、寒川さんにとっての一種の目的地へ到達したことの儀式がたこあげなのかもしれない。とすれば、我らは我らの我らオンリー儀式を何か見つければよいということか。

お金をかけないからこそ楽しいことがある

寒川さんは「忘れもののススメ」ということを言う。忘れたものを旅先でどうやってカバーするかが楽しいというのだ。
「たとえば、以前にキャンプに出かけたとき、コーヒーのドリッパーを忘れたんですね。紙フィルターはあったので、ま、なんとかなるだろうと思って、木のツルを円錐状に編んだりしてトライしたんですが、なかなかうまくいかない。で、なんと、ドリッパーづくりに3時間も費やしてしまいました。でも、そのことで、あの何の変哲もないドリッパーの構造の秘密がわかった。思い返せば、その旅で一番面白かったのがドリッパー作りだったりしたわけなんです」

カヤックでの旅では、持っていけない物のほうが多い。だから、持っていけなかった物を何かで補おうとしていろいろ工夫する。それが面白いと寒川さんは言う。
「なんでもそろって便利なホテルで一晩過ごしたのとは違う、ドラマチックな夜が経験できる。それが、たとえばカヤックで出かけるキャンプ旅行なんです。お金をかけなくても、最少の荷物だけでも、いや、むしろそのほうが人生観が変わるような一晩を過ごせるのではないでしょうか」

ハンモックは心を解放するツールだという。

ハンモックは心を解放するツールだという。

3knotの店内はたくさんのハンモックであふれかえる。

3knotの店内はたくさんのハンモックであふれかえる。

上がトラベラーハンモック、下がポケッタブルカイトだ。

上がトラベラーハンモック、下がポケッタブルカイトだ。

今年の夏に登った剱岳にて。もちろん、ここでもタコをあげた。

今年の夏に登った剱岳にて。もちろん、ここでもタコをあげた。

WHERE TO GO?

お金はかけずとも時間だけはたっぷりかけて旅をしよう

『青春18きっぷ』を活用しよう!!

まる1日サボってみるなら、『青春18きっぷ』を活用することをオススメすると寒川さん。
「そういうと、皆さん、『エッ、年とっても使えるの?』なんてビックリされるんですが、『青春18きっぷ』は年齢関係ないんですよ。僕なんか、去年の春、家族4人で四国へ帰省するのに『青春18きっぷ』使って帰りましたから。何年ぶりかで買った時刻表を見ながら、名物の駅弁を食べたり、予定外の途中下車をしたり、11回も乗り換えて、楽しくてしかたなかったですよ。窓の開く電車にも久しぶりに乗りました(笑)」

JRの普通列車乗り放題の『青春18きっぷ』は1枚11,500円だが、2,300円の1日券5枚分に相当する。つまり、これ1枚あれば、5人で1日使っても、1人で5日間使ってもいいというわけ。
「普通列車で旅をすると、言葉も景色もグラデーションでゆっくり変わっていくんです。見るもの全部が楽しくて、時間をかける旅こそが贅沢な旅なんだって思えます」

なお、『青春18きっぷ』は発売・利用期間が春夏冬の特定期間に限られるので、JR各社に問い合わせてみよう。

お店のすぐそばの浜にて。サラリーマン時代の寒川さんが、会社をサボって1日中海を見つめていたのは、このあたりだったのだろうか?

お店のすぐそばの浜にて。サラリーマン時代の寒川さんが、会社をサボって1日中海を見つめていたのは、このあたりだったのだろうか?

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