インフォシーク   楽天 OYAJI Hot-Dog PRESS - Infoseek 特集|ヘルプ

インフォシーク特集

本文へ
サービス一覧

OYAJI HotDog PRESS

 
トップ > マンスリー特集TOP > 旅の達人に聞け!! 1 旅は大人を子どもに、子どもを大人にする 相原正明さん(写真家)

旅は大人を子どもに、子どもを大人にする 相原正明さん[写真家]
「カメラマンってどんな仕事ですか?」と聞かれたら、たいがいの人は「え?写真を撮ることでしょ」と答えるはず。確かにその通り。でも、それだけじゃない。写真に収めるべき場所に自分が旅をすることもまた大事な仕事だ。
 相原正明さんはフリーランスのカメラマンとして、この道20年のベテラン。オーストラリアの大自然をテーマに、多くの作品を発表してきた。オーストラリアを撮り始めたのも、写真家を目指したのも、考えてみたら『旅』がきっかけだったという。そんな相原さんの旅の極意をうかがおうではないか。

プロフィール
1958年東京都出身。日大法学部新聞学科卒。7年半のサラリーマン生活の後、パリダカールラリーを目指し、そのステップとしてオーストラリアへバイクでの砂漠縦断に行くが、そのままオーストラリアの虜になる。現在はフリーカメラマンであり、フレンド・オブ・タスマニア(親善大使)としても活動中。

●相原正明オフィシャルサイト
http://www.aihara-australia.ecnet.jp/

●写真家・相原正明のつれづれフォトブログ
http://aiharap.exblog.jp/

Copyright©MASAAKI AIHARA

WHAT IS THE JOURNEY?

旅のキッカケはカルチャー”ブロークン”だったオーストラリアの大自然

モーレツサラリーマンからカメラマンへ

身長180cmの大柄なクマさん体型(失礼!)の相原さん、実は未熟児として生を受けた。「大切な息子をケガさせてはいかん!」と心配した父親は、相原少年を外で遊ぶことを許さず、かなりインドアな幼少期を過ごした。しかし、やっぱり男子たるもの大空の下で元気に遊ばせたい! 内向的になっていた少年を外に引っ張り出したのは、旅好きの叔母さん。全国津々浦々を連れ回されるうちにたくましいアウトドア派へ変貌。同時に目にする風景、乗り込む鉄道を写真に収めるようになっていた。 「高校生のとき、アルバイトして貯めたなけなしのお金で買ったニコンF2。当時、プロ用のハイエンド機種です。カメラ屋のオヤジに『これを買ってどうするんだ?』と言われ『プロになるために今から機材を揃えるんだ!』と答えたら大笑いされました」

「高校生のとき、アルバイトして貯めたなけなしのお金で買ったニコンF2。当時、プロ用のハイエンド機種です。カメラ屋のオヤジに『これを買ってどうするんだ?』と言われ『プロになるために今から機材を揃えるんだ!』と答えたら大笑いされました」

写真家になることを志した少年は、いつしか青年となり、広告代理店に就職。営業に配属されるが、広告撮影の現場でこっそりとカメラマンとしてのノウハウを得る。

ときはバブルの世。給料は毎月上がり、年4回の臨時ボーナスは袋が立つほどだった。相原さんは独立に向けコツコツとカメラ機材を買い集め、モーレツに働いたが、ついに過労でダウン。フリーランスのカメラマンになるのは30歳前だと考えていたから、これが潮時と決めて退社。荷物をまとめて向かったのはオーストラリアだった。

「ダカールラリーの本を読んで、バイクのエンデューロに出場したいとずっと思っていたんです。ダカールラリーと言えば砂漠。でも日本にはないでしょ?自分の売り込み用の作品撮りもかねて、オーストラリアにバイク旅行に出かけたんです」

帰国後、無感動症候群に

給料を全部使い切るぞ!の思いで出かけたオーストラリア。地平線を見ながら走りたい、とバイク好きなら誰もが夢見るシーンを求めた大陸の旅。サラリーマン人生からの解放され、万歳をしながら走った先に見えたのは、驚くほどダイナミックな自然の風景だった。

「本気でサラリーマン人生を疑いましたね。『今まで漫才をやってたのか?』って。仕事上のトラブルや出世なんて、4億年かけて作られた自然を前にしたら本当にちっぽけなもの。よくカルチャーショックって言うでしょ?僕の場合はブロークン。粉々に壊されちゃったんだよ」

一方で、作品撮りもキッチリこなした。町で人物のスナップや取り貯めたフィルムは一週間に一度日本へ郵送し、友人に現像所に出してもらっていた。ある日、確認の電話を入れると受話器の向こうで友人が熱っぽく語っていた。現像所が大騒ぎだという。日本では考えられない、ムラサキ色の夜空やピンク色に染まる岩肌。帰国後、あらためてポジフィルムを見て、「俺が撮るべきなのは、これかもしれない」と悟った。バイクの練習で来たはずのオーストラリアで、相原さんは生涯のテーマと出会ったのである。

「写真撮影は被写体に出会う前までに95%終わっている……」と、オーストラリアで脳みそを揺さぶられた相原さんだったが、日本に帰国した途端、無感動症候群になってしまった。広告代理店時代はブランド品を追いかけ、週末は女の子とパーティー……。ついこの間までの自分が信じられないほど、まったく興味が無くなった。

やがて相原さんは、写真家として一歩ずつ前進を始める。

とはいえ輝かしい成功にはなかなか手が届かなかった。

一区切りをつけようと背水の陣でスタートさせた個展に、偶然オーストラリア公使が訪れたことで状況が一気に開けた。オーストラリア・タスマニア州政府認定フレンド・オブ・タスマニア(観光親善大使のような役割)に抜擢され、オーストラリアの航空会社のスポンサードを受けた今、オーストラリア人も知らない風景を切り取る写真家として活躍しているのである。

相原さん
30年ほど前、抜海の原野で朝の急行列車利尻の撮影待ちをしている際の一枚。気温はマイナス10度。カメラのバッテリーが低下しないよう、バッテリーコードでパンツの中にバッテリーを入れている。

30年ほど前、抜海の原野で朝の急行列車利尻の撮影待ちをしている際の一枚。気温はマイナス10度。カメラのバッテリーが低下しないよう、バッテリーコードでパンツの中にバッテリーを入れている。

20歳の自転車ツーリング@北海道一周の写真。毎日100〜150kmぐらい走った。

20歳の自転車ツーリング@北海道一周の写真。毎日100〜150kmぐらい走った。

高校生で買ったニコンF2は今も大切な相棒。町歩きから砂漠まで、いつだって一緒。

高校生で買ったニコンF2は今も大切な相棒。町歩きから砂漠まで、いつだって一緒。

これは西オーストラリアのワイルドフラワーを収めた相原さんの作品。オーストラリアの空の下だから目の当たりにできる現色の風景だ。

これは西オーストラリアのワイルドフラワーを収めた相原さんの作品。オーストラリアの空の下だから目の当たりにできる現色の風景だ。

HOW TO JOURNEY?

相原流、砂漠のジャーニー術

相原さんは一年の半分くらいは海外にいる。欧米、アジアも行くけれど、やっぱり一番はオーストラリア。そこで相原さんの旅ルールを教えてもらった。 「個展を開くとたまにこんな人がいるんです。『俺もこの場所に行けば同じように撮れる』って。でもね、私はその人に質問したい。『じゃあ、どうやって行くんですか?』って。撮影はそこに行く前から始まっているんです。事前の準備と、そこに行くまでの過程で95%が決まると言っていいでしょう」

撮影前の準備だけでも一苦労。機材だけでも大きなトランクは満杯。これにフィルムやら着替えやらを入れたら、もう大変な量だ。空輸時に壊れないよう、パッキングは念入りにする。これをいちいち日本とオーストラリアの入出国時にチェックを受けなければならない。

空港を出た後は、恐怖の砂漠ドライブ。砂の色を見分け、できるだけ硬い場所を走る。どこに岩が埋まっているか分からないし、日が沈むまでに目的地に到着しなければ動けなくなる。相原さんの話を聞いていると、「風景写真はのどかでいいですね」なんてとんでもない話だということがよくわかった。

砂漠に行くには

電車は当然は走っておらず、飛行機からダイビングするのも危ないので、必然的にクルマ。空港で借りるのは決まってトヨタのランドクルーザー。理由は「どんなに奥地に行っても、ランクルとHondaのバイクは部品がメンテナンス調達できるから」。確実に目的地に着くためには信頼性が第一。ちなみにオーストラリア仕様のこのランクルにはガソリンタンクがメインとサブの2つに別れている。合計180リットル!ゴッツいバンパーはカンガルーに当たっても大丈夫な「カンガルーバンパー」。

命を守るには

まずは見た目から。このベストは道路脇を歩くときに必ずつける。相原さんが行くところは「こんな場所に人なんかいるわけないだろう」というスポット。人影をカンガルーと間違えて突っ込んでくるクルマもいる(相原さん自身も経験済み)ので、クルマが通る場所ではこうしたベストを必ず身につける。

撮影するには

フィルム用の機材だけでこれだけの量になる。このほかにフィルムが600本前後、そしてデジタル用機材。これだけの機材を運ぶのも大変だけれど、空港で受けるチェックも長時間に渡る。

電池がなくなったとしても、確実にシャッターを切る事ができる機械式カメラは今も現役。ヘッドライトは必需品。砂漠の夜、光源は月明かりだけなのです。

ご飯を食べるには

腹が減っては写真も撮れぬ。相原さんが愛用するのは12歳から使っている飯ごう。このなかにフォーク、スプーン、簡易ナイフ、ガスバーナーのヘッド、マグカップ、ヘッドライトが収まる。「これさえあれば、大抵のことができる」。

ご飯を炊いたり、インスタントラーメンを食べるのは、町に戻る日ぐらい。砂漠で水は貴重なので、できるだけ使わない。水のストックに不満を覚えたら、歯磨きさえもしない。食事の基本はドライフルーツや缶詰だ。

まどろむには

砂漠のなかは、基本的に音がない。一日の撮影が終わった後、相原さんが聴くのは意外にもオペラ。満点の星空の下、砂漠で聴くオペラは、日本では味わえない深みを感じられるとか。「リラックスタイムには落語も聴きます。志ん生とか米朝とか。撮影期間はずっと気が張っているから、どこかで抜かないとバランスが取れない。その点落語はあたまをスッと切り替えられていいですね」。なお、朝の出撃時にはクイーンの『We Will Rock You』をかけながらハンドルを握り、テンションを高めるそうです。

トヨタのランドクルーザー
ベストは道路脇を歩くときに必ずつける
フィルム用の機材
相原さんが愛用する12歳から使っている飯ごう

WHERE TO GO?

旅人・相原がレコメンドするのはやっぱりオーストラリア

「旅の醍醐味って、予定を決めないことにある気がするんです。だから当然アクシデントはあるし、予想外の出来事が起きる。それを克服することが面白いんですよね」  そうして見知らぬ風景に接し、予期せぬ出会いを楽しみ、新しい自分を見つける。旅する大人は子どものような純粋な個々を取り戻し、子どもは旅でたくましさを身につける。旅で一番嫌われるのは会社の肩書きを言う人だと相原さんは言います。名刺ケースを置いて出かけたいお勧めび旅、1つ目は「バイクの北海道ツーリング」 。

予行練習としての北海道

「時間とお金にある程度余裕が生まれたオヤジなら、バイクに乗って北海道に行ってほしい。広くて、走りやすくて、地平線が見られる。若かったあの頃できなかったことを、オヤジになったから今だからこそやってほしい。きっと面白いと思いますよ」

相原さんは今年、奥様とふたりで初めてのタンデムツーリングに出かけた。旅程は20歳のときと同じ。久しぶりに出かけた北海道の旅は、なかなかどうして充実したそうだ。

「ホテルもいいけれど、やっぱり民宿。さすがに奥さんと一緒だと厳しいけれど、たまには道の駅で野宿でもいいのでは?いつも名刺や肩書きに縛られている人が、そんなものに縛られず、行く先々で出会う人々と、素の人間として接していく。のびのびと北海道を過ごして欲しいです」

バイクなら、暑さや香りが場所ごとに変わってくるのが分かるそうだ。五感で感じる旅をぜひ味わってみては?

本番はもちろんオーストラリア

「フレンド・オブ・タスマニアとしては、オーストラリアを語らないわけにはいかないでしょう」と相原さん。

試しにイチオシのオーストラリアスポットを紹介してもらおうと思ったら、あまりにも膨大でページで紹介することが不可能になってしまいそう。そこでオーストラリアの文化に触れる旅をプロデュースしてもらいました。テーマは「マイトシップ(Mateship、オーストラリア英語なのでMateはメイトではなくマイト)」。

マイトシップとは、困っている人は助け合うというオージーの互助精神のこと。イギリスから新大陸に移住して来た当時、みんなが助け合わなければ過酷な環境を乗り越えて生き抜けなかった歴史に由来している。だから、通りすがりのツーリストにだって、気さくに話しかけてくれるのがオージー。レンタカーを借り出して、カメラ片手の気ままな旅で、オーストラリアの人情に触れてほしいと相原さんは言います。

「できれば田舎の方をゆったりドライブして、地元の宿に泊まってください。ホテルもいいけれど、それじゃあ旅行者としか話せないですから。町をブラブラして、地元のパブを見つけたら勇気を出して『やぁ』って入って行く。カウンターにはきっと昼間から地ビールを傾けているオッサンがいたりして『何者だ?』って目で見てくるはず。何を話していいか悩んでいるうちに、勝手に向こうから『どこから来た?』なんて話かけてきます。そしたら、もうこっちのもの。それまで道すがら撮って来た写真を見せれば、すぐに打ち解けますよ」

オーストラリアは、都市部を過ぎると広大な自然が広がる。その何もないところを楽しむのが醍醐味。

「旅は大人を子どもに、子どもを大人にするんです。オヤジの旅だってそれは同じ。時間はまだまだたくさんあるんだから、思い切って旅に出てください。そのとき、カメラを絶対忘れないで!あなたが気に入った1コマが、きっと一生の宝物になるはずだから」

相原さん愛用のバイク
相原さん愛用のバイク
オーストラリアのパブでの1コマ。こういうお店だと、こんなガッツリ系料理がリーズナブルに楽しめるとか。
オーストラリアのパブでの1コマ。こういうお店だと、こんなガッツリ系料理がリーズナブルに楽しめるとか。

オーストラリアのパブでの1コマ。こういうお店だと、こんなガッツリ系料理がリーズナブルに楽しめるとか。

インフォシークのサービス: インフォシークTOP | ニュース | 楽天SocialNews | セレブニュース | K-POPニュース | 天気 | メールdeポイント | ツールバー | 楽天不動産 | 辞書 | 翻訳 | 乗換案内 | 楽天レシピ | みんなの調整 | 楽天woman | 恋愛・占い | 楽天ブログ | 楽天プロフィール | みんなで解決!Q&A | ポイナビ | 楽天政治 LOVEJAPAN | ラッキーくじ | ラッキーBINGO |